11. 間取りの決め方
ところが時代は平成/令和となり、昭和の頃よりは贅沢な時代となりました。郊外に建築するので都心に家を建てるよりも建築費が安くて良いものが建てられる別荘は、「理想を現実に」がキーワードとなってきています。
カオリが別荘を建てるにあたり考えた間取りの条件は、具体的には以下のようなものでした。
- 玄関は外から順にポーチ、玄関、ホールと続き、ホールのドアを開けて室内に入るようにしたい(冬に出入りする際の冷気が直接室内に入り込むのを防ぐため)。
- ホールのドアを開けたら開放的なリビングがあるようにしたい。
- プレイゾーンとしてのリビングを広くとりたい(12帖以上)。
- リビングは開放感が感じられるよう吹き抜けにしたい。
- 1階に寝室となる部屋を1室設けたい(8帖)。
- リビングと1階の寝室となる部屋は、寝るとき以外は続きの部屋となるような配置にしたい(可動式の引き戸で仕切るイメージ)。
- 2階に寝室となる部屋を1室設けたい(8帖)。
- 食事をするダイニングスペースが欲しい(6帖)。
- キッチンはリビングから見えないようにしたい(調理が終わったあとの洗い物などが丸見えになるのを避けるためアイランドキッチンにはしない)。
- リビングの隅にキッチンがあるアパートのような雰囲気は避けたい。
- キッチンは2人以上が出入りしても動線がぶつからないように、回遊動線を確保したい。
- 洗面台は大きめにとりたい。
- お風呂は3枚ドアのバリアフリー設計にしたい。
- 洗濯機は可能であれば普段は隠しておきたい。
- トイレは引き戸にして車椅子でも利用可能な大きさにしたい。
- 窓を多めにとり、明るい室内にしたい。
- 収納は掃除道具などが入る「物入れ」を作りたい。
- 布団が入る「押入れ」をきちんと確保したい。
- リビングの窓は掃きだしにして、テラスに出られるようにしたい。
- リビングとテラスの段差は可能な限り無くしてフラットにしたい。
- 屋外でも食事ができるような「大き目のテラス」が欲しい。
- 1階部分は車椅子でも利用可能なようにすべての有効幅が車椅子でも余裕で通れるようにしたい。
これらの希望をベースにしてあとはパズルのようにして間取りを決めていく訳ですが、あちらを立てればこちらが立たず、あーでもない、こーでもないと何十回もメールやFAXでやり取りをして、那須へ打ち合わせに出掛けました。
建築士さんが書くのを見よう見真似で自分で間取り図を書いてみたりもしました。必要な広さのパーツを廊下などの無駄なスペースをなるべく発生させないようにパズルのように組み合わせていきます。
最後は建築士さんも疲れてきたのか「一マスの四角を畳半畳分として、好きなように間取りを考えてみてください」と言われ、「そんな無茶振り、アリ?」と思いつつも、頑張って間取りを考えました。
最終的に行き着いた結論としては、廊下などの無駄なスペースを省くには各部屋を一つの箱と考え、少しずつズラしながら隣接して配置すると良いことがわかりました。
この体験談の読み方
各ページでは、那須での別荘建築について、土地探し・建築家との打合せ・工事・完成後の暮らしの様子などを順に紹介しています。
興味のある部分から読んでいただいても構いませんし、最初から順に読んでいただくと、より流れがつかみやすいと思います。
関連リンク
How to read this story
Each page shows one step of building the vacation house in Nasu, such as land search, meetings with the architect, construction, and daily life after completion.
You can start from any part you like, but reading in order may help you understand the full flow more clearly.