那須の宿 ...お泊まりしてゆっくり休みたい。 |
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■モモンガになりたかった■
小さな頃はよく「おままごと」をして遊んだものです。
「おままごと」では、それぞれが役割を演じなくてはいけません。
人気があるのは「お母さん」役でした。
この役は、仲間の中でも一番年上の子や、しっかり者が選ばれます。
「お母さん」役になるメリットは、泥の団子を作ったり、子供役の子が拾ってきた葉っぱや木の実で料理の真似をすることです。
そこにたまたま男の子がいると、無理に「お父さん」役にさせられます。ちょっと迷惑そうです。
男の子がいない場合には、「お父さん」は会社に行っていて留守という設定になったりします。
「お母さん」の次にみんなが狙っているのは「お姉さん」役です。
これは「お母さん」の小さい版みたいな感じです。
「妹」役の子たちに対して、異常に世話を焼きたがります。
それで、その他の子たちは全員「妹」ということになって、それぞれ10歳、8歳、6歳・・・などと、勝手に年齢設定をされて、それ相応の振る舞いをしなくてはいけないのです。
なかに、ちょっとトロイ子がいたりすると、0歳時の赤ちゃん役にさせられ、
「赤ちゃんなんだから、泣いてなさい」
とか言われ、泣き真似をすると、今度は変な泥水をミルクだと言って飲まされそうになったりします。
しゃべろうとすると、
「赤ちゃんなんだから、話しちゃだめ」
とかみんなに責められ、本当に泣きたくなる役です。
「おままごと」が始まってしばらくしてから、そこを通りがかった子が、
「入れて〜」
と言うと、そういう子は例外なく、何をするのだかイマイチはっきりしない「隣のお姉さん」役になります。
「隣のお姉さん」役も多くなると、「たまたま家庭訪問をした学校の先生」とか「親戚のお姉さん」などといった役が即席で作られていきます。
そんな中、カオリの役割は、「モモンガ」でした。
小さな頃から「モモンガ」が大好きだったカオリは、よく「モモンガ」の真似をして遊んでいました。
「おままごと」でも、みんなが「お母さん」や「お姉さん」役を奪い合うのを尻目に、
「カオリはモモンガね! 飛ぶよ〜!」
と両手を広げて走り回りみんなの冷たい視線を浴びていました。
モモンガの登場の場を増やすために、「夜」の設定も作って貰って、みんなを土の上に寝かせ、その上を
「モモンガ〜っ!」
と叫びながら飛んでみたりしました。
遠くから見ている人は、一体何やってるんだ?といぶかしかったことでしょうね。
「カオリちゃん、モモンガなんて変だよ。人間じゃないよ。」
ととがめられると、仕方ない、作戦変更です。
「じゃあ、カオリ、スパイになる。」
ということで、ハンカチを頭にまきつけ、女スパイの役を演じます。
そして、いつしか、
「カオリちゃんとおままごとやってもつまらない〜。」
というブーイングを受けることになりました。
カオリはとっても楽しかったんだけどなあ。 |
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