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別荘建築日記
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31.ジェットバス
32.ウッドデッキ
33.エアコン暖房
34.ゴミ問題
35.観光地としての将来性
36.洗濯機
37.防犯対策
38.高気密・高断熱
39.キッチン
40.屋根素材
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屋根素材

「いやあ、この屋根の色は本当に明るくて気持ちがいいですよね」。この前、現場を見学しに行ったときに、円谷さんがしみじみとしたような感じで言われていました。円谷さんは屋根にとてもこだわりがあって、打ち合わせが始まった当初から、何度も屋根のことを話題にされていました。しかもカオリが選んだ明るい茶色の屋根は、「普通だったら選ばない」色だそうで、それをカオリが選んだので、円谷さんはとても嬉しかったようです。しかもカオリが選んだ色は、今後は輸入が難しくなる色だとのことですからなおさらです。「この屋根素材は少し価格は高いんですが、素晴らしい性能を持っているんです。どうして他の業者が積極的に採用しないのか分かりません。しかし将来は、確実にこの素材が脚光を浴びていくはずです」。打ち合わせの席で、円谷さんはそう熱く語られていました。どうして屋根素材にそんなにこだわるのか?カオリも少し勉強してみたくなりました。

屋根は建物を雨や風から守るだけでなく、その形や材質によっては外観のイメージに大きく影響するものです。それだけに、本来は自分でイメージするスタイルにとことんこだわって選びたい部分です。ところが屋根は、建築を始めるにあたって一番最初に決定しなければならない部分です。まだ基礎も出来ていない時期に、「全体をイメージして下さい」と言われても、素人にはとても難しい作業です。ですからつい、「お任せします」ということになりがちなのですが、実はメンテナンスフリーと耐久性を実現する為には、とても重要な部分ですので注意が必要です。例えば、屋根の塗り替えなど、メンテナンスが10年ごとに必要ということになれば、それは費用的に見ても、とてもメンテナンスフリーと言えるような別荘ではないでしょう。ところが現在、実際に那須高原に建築されている多くの別荘は、そのような一定期間ごとの塗り替えなど、メンテナンスが必要なものばかりです。それは実は、建築を始めるときに自分自身で選択した(又はさせられた)のが原因なのだということに、多くの人々は気が付いていないようです。

屋根に必要な性質は、防水性、断熱性、通気性の3点に集約されると言われます。これらの条件を満たす屋根素材として、一般に以下の5つの素材が使用されています。
  1. 瓦(日本瓦 スパニッシュ瓦など)
    重さがあるので台風には強いですが、地震に弱いという性質を持ちます。耐久性が高く塗り替えなどの必要性が少ないため、初期費用は高くつきますが、伝統ある重厚感を得ることが出来ます。しかし、ある程度の屋根勾配がないと施工できない(4.5/10以上)、一枚一枚の大きさが決まっているので屋根形状の制限があるなど、デメリットもあります。
  2. 金属屋根(カラー鉄板、カラーステン、フッ素鋼鈑、ガルバニウム鋼鈑など)
    金属の中でも最近は、トタン屋根からガルバニウム鋼板(アルミと亜鉛の合金板)へと主流が移ってきている屋根です。施工費が安く耐久性も高いのですが、見栄えに風格がないのが残念です。防音効果が小さく、雨音が大きく感じられるので、一般住宅にはあまり使用されていませんが、積もった雪が滑りやすく便利で安いので、積雪のある別荘地などではよく使われています。
  3. 茅葺き
    草で屋根を葺く方法です。茅とは屋根を葺く草の総称ですが、一般的にはススキの事を指します。消防法や茅葺き職人の不足などでほとんど見られなくなりました。茅の上から金属板で覆ってしまう事も多いようです。
  4. 人工スレート化粧板(カラーベスト、フルベスト)
    現在、新築家屋の屋根で一番多く施行されている屋根です。屋根勾配は非常に自由で、およそ3.5/10勾配から垂直まで大丈夫です。瓦にくらべてかなり軽く、薄い板の形状なので、切断が容易で屋根の形状を選びません。一般的にコストは安いですが、耐久性が低く、数年に一度の塗り替えが必要とされています。
  5. 防水屋根(アスファルトシングル、シート防水、塗布防水など)
    この素材が一般住宅に使われるのは稀です。見た感じがカラーベストと同じように見える板状のアスファルトに、砂で表面処理をしたような屋根素材です。カラーベストに比べて緩勾配にも対応ができ耐久性もありますが、価格的にはカラーベストより高めとなります。
那須高原の別荘地で多く見られる屋根素材は金属屋根です。施工費を安く抑えるため、たくさんの業者が採用しています。また、積雪のある那須高原では雪が滑りやすくて便利という理由もあるようです。横長の金属板を下から上に向かって並べたような外観ですので、遠くから見てもよく分かります。金属屋根を使用していると、せっかくの別荘なのに見栄えがせず、安普請に見えてしまうのが少し残念です。

カオリが円谷さんのお薦めで使用した屋根素材は、防水屋根(アスファルトシングル)です。それは耐久性が50年あって、その間のメンテナンスも必要なく、カラフルで見栄えがして施工もしやすく、屋根の形状などの制限も少ないというものです。まさに理想の屋根素材なのですが、その中でも耐久性があって品質が良いものを選ぶとなると、どうしても価格が高めになるのであまり選択されない素材のようです。ところが円谷さんは、こだわりを持って防水屋根(アスファルトシングル)を選んで下さいました。確かに初期費用はかかりますが、50年間メンテナンスフリーということを考えると、決して高い買い物ではないと思います。

防水屋根(アスファルトシングル)の優れた特徴の一つとして、屋根の上の雪が滑りにくく、しかも雪が溶けるくらいの適度な熱を持つということがあります。那須高原には雪が降ります。その対策として、別荘地では雪が滑り易い金属屋根が多く使用されてきた訳ですが、金属屋根には見栄えがしないという他に、重要な問題点があります。それは雪が滑り落ちるときに雨樋が破壊されるため、雨樋が欲しいテラスの上などにも安易に雨樋を付けることができず、そのためテラスの一部分が腐り、一定期間ごとにテラスを作り直さなければならない別荘が多いということです。屋根から落ちる水滴で壁も痛みます。その点、防水屋根(アスファルトシングル)を使用すれば、雪が滑りにくく、しかも屋根の上で溶けてしまいますから、必要な場所に雨樋をきちんと取り付けることができます。結果、テラスの一部分だけが腐ることもなく、ますますメンテナンスフリーな別荘を実現することが出来るのです。


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