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別荘建築日記
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31.ジェットバス
32.ウッドデッキ
33.エアコン暖房
34.ゴミ問題
35.観光地としての将来性
36.洗濯機
37.防犯対策
38.高気密・高断熱
39.キッチン
40.屋根素材
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キッチン

「食器洗浄器はつけますか?オーブンはレンジ付きがいいですよね?シンクはステンレスがいいですか?本体の色は何色がいいですか?このカタログの中から選んで下さい」。普通はそんなふうにしてキッチンが決まっていくようです。かくいうカオリも、もう少しでそのようにして決めてしまうところでした。でも、ちょっと待って下さい。キッチンは生活する上でとても重要な場所です。料理をするのに必ず使用する場所です。それをカタログを見て選んで決めるだけで本当に満足のいくモノを手に入れることができるのでしょうか?メーカーが売っているシステムキッチンは、確かに過不足なく必要なモノが組み入れられている製品です。ですが、販売対象を広くするために、設備もレイアウトもデザインも無難過ぎて特徴がなく、つまらないモノとなっている場合が多いのです。せっかく建築士さんと相談して建築する別荘なのですから、キッチンもきちんと検討してみた方が良いのではないでしょうか?情報収集をしてみれば、とても優れたキッチン製品が数多く存在していることにきっと驚かれることでしょう。

キッチンは様々な部品の組み合わせによって構成されています。通常は、建築する側も面倒なので、システムキッチンのカタログから多少の色やオプションの違いを施主に選ばせて、施主が“選んだ”ような気にさせます。ですが、キッチンは本来、構成する部品をすべて分解した状態で考えることが出来るものです。極端な話、キッチンだけで設計図を出してもらってもいいくらい、自由な設計が可能です。キッチンを独自に構成する場合、以下のような各部品に分けて考えていく必要があります。これらの部品の組み合わせやレイアウトはまさに無限大です。どのようなメーカーのものをどのように組み合わせてキッチンを作っても良いのです。
  1. シンク(ステンレス、ファインセラミックなど)
  2. カウンター(調理を行う台の部分。ステンレス、大理石など)
  3. 扉(シンクの下や引き出し等で使用する扉)
  4. 水栓(蛇口部分)
  5. レンジフード(換気扇のフード)
  6. オーブンレンジ(電子レンジと一体となったオーブン)
  7. ガスコンロ(3口ガスコンロ+グリル)
  8. 食器洗い機(ビルトインの食器洗い乾燥機)
  9. 吊り戸棚(天井から吊り下げるような壁付け戸棚)
  10. 冷蔵庫(冷凍庫+冷蔵庫)
  11. 食器棚(収納力と出し易さを兼ね備えた棚)
  12. ゴミ箱置き場(分別用に3個+大容量が理想)
  13. 炊飯器置き場(家電製品置き場)
  14. 製氷機(単独であると便利)
本来、システムキッチンのシステムとは、それが生まれたヨーロッパにおいては、各家庭の事情に合わせて、シンクやカウンターなど、別々のメーカーのものを好きに組み合わせて作ることが出来る便利なシステムという意味でした。多品種少量生産のヨーロッパが各社共存とユーザーの利便性を両立する為に考え出した素晴らしいシステムだったのです。ところが、日本に輸入されたシステムキッチンでは、その本来のシステム部分が欠落してしまいました。日本のシステムキッチンのシステムとは、各社ともわざと寸法やディテールを変えることによって、自社の商品をできるだけ多くセットで買わせようとするシステムです。ヨーロッパの格好だけを真似して、大事な各社共存とユーザーの利便性という考え方の部分が欠落してしまったのです。日本のユーザーも、そろそろ目を覚まして、本来の意味で使い易いオリジナルキッチンを目指して本気で取り組むべき時期なのではないでしょうか。

カオリの別荘では、シンクはステンレス製、カウンターは石を貼り合せて作る予定です。扉は建具屋さんに作ってもらい、好きな色の化粧板を貼ります。水栓は輸入物の洒落たものになりそうです。レンジフードはオールステンレスのピカピカなイカすデザインのものを採用するつもりです。オーブンレンジはパンがたくさん焼けるように大容量のガスオーブンレンジをビルトインで設置します。ガスコンロは通常の3口ガスコンロ+グリルです。食器洗い機は幅600ミリと大きめのものをビルトインで設置します。シンクの下はオープンスペースにして、そこにゴミ箱を3つ置けるようにします。吊り戸棚はシンクに立った時の背後になる場所に取り付けて、その下に小型のシンクと調理台を置き、2人以上でキッチンに立った場合でも、それぞれが不自由なく調理できるようにします。製氷機と炊飯器の置き場もきちんと確保します。冷蔵庫は薄型タイプですが、容量が大きいものを選びたいと思っています。食器棚は作り付け家具として壁面に設置します。これらの色や採用する素材、配置、設備の性能など、まだまだ色々と悩んでいる最中ですが、徐々にイメージらしきものがアタマの中で固まりつつあります。

「悩んだ分だけいいものが出来るんです。遠回りのように見えても、すべては無駄ではないんです」キッチンの構成についてあれこれ相談している中で、円谷さんはそう言い切りました。カオリは改めて、“本当にスゴイ方だなあ”と思いました。

なお、独自のキッチンを組む場合、あとから「ああしておけば良かった」という後悔をしないためには、メーカー製のシステムキッチンを細部まで検討して、足りないところがないかどうかをチェックすることがお薦めです。メーカーは膨大な予算を使ってユーザーテストを行い、キッチンレイアウトや設備を決めていますから、そこから導き出された合理的な組み合わせは大変参考になります。せっかくですから、自分達で独自にキッチンを組むのに活用しましょう。建築士さんに頼めば、システムキッチンのカタログは無料で手に入ります。

システムキッチンのカタログを見てみると、シンクの上に吊り戸棚を付けるタイプが主流のようですが、その点は参考にせず、考えてみる価値があります。カオリは、「シンクの上に吊り戸棚を付けるのは好きじゃないんです」という円谷さんのご助言もあり、シンクの上には吊り戸棚を付けないようにしました。吊り戸棚を付けなければ、シンクの前に大きな窓を設けることが可能です。窓は、横型よりも縦型の方が光が多く入り、明るいキッチンとなります。カオリの別荘では、シンクに立った時に目の前に縦型の大きな窓があり、遠くに那須岳の雄大な景色が見えるようになっています。そのキッチンで料理できる日が今からとても楽しみです。


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